中小企業診断士一次試験初日の一番最初に行われるのが経済学・経済政策です。
二次試験とは関連も薄い科目ですのでついつい勉強を後回しにしがちではありますが早めに対策することをおすすめしています。
本記事では以下の内容について書いていきます。
・勉強のコツや勉強順序
・おすすめテキストや参考サイト
財務・会計の難易度と勉強法
企業経営理論の難易度と勉強法
運営管理の難易度と勉強法
経営法務の難易度と勉強法
経営情報システムの難易度と勉強法
中小企業経営・政策の難易度と勉強法
科目合計平均率は低くないが難易度は高め。早めの対策が吉。
財務・会計、企業経営理論、運営管理は二次試験に直結する科目ですので、どの受験生もまずはこの3科目を勉強します。
残った4科目のうち最初に勉強してほしいのが経済学・経済政策です。
理由は想定以上に勉強時間が必要になる可能性があるからです。
経済学・経済政策の勉強時間はサイトによってバラバラで少ないものは100時間程度と書かれているものもあります。
しかし、特に経済学を初めて学ぶ場合は苦労することもあり、勉強時間が200時間程度必要な場合もあります。
勉強時間は213時間要しました。7科目で一番時間がかかった科目でした。
年度別合格率
年度 | 合格率 |
令和3年度 | 21.1% |
令和2年度 | 23.5% |
令和元年度 | 25.8% |
平成30年度 | 26.4% |
平成29年度 | 23.4% |
平成28年度 | 29.6% |
平成27年度 | 15.5% |
上の表は経済学・経済政策の年度別の合格率です。
平均で約20%程度の合格率ですので他の科目と比べると高いほうに分類されます。
また、他の科目と比べて特筆すべき点は年度ごとのムラが非常に小さいことが挙げられます。
他の科目ですとある年は合格率が30%近くあったのに翌年には1桁%までが下がったということが少なくありません。
年度ごとのムラが少ないということは安定した得点源にできる可能性が高いということ。難易度は高いですが80点程度を目指すことも不可能ではありません。
出題形式と配点
- 試験時間は60分
- 問題数は25問
- 1問あたり4点
冒頭でもお伝えしましたが、経済学・経済政策は一次試験の一番最初の科目です。
経済学・経済政策の出来がこの後の6科目にも影響してくるのでしっかりと得点していくことが大切になってきます。
試験時間は60分ですが、人によっては時間が余る人もいます。
財務・会計は時間が足りずに全問解けなかったということもあるので、普段から時間を測って勉強することをおすすめしていますが、経済学・経済政策はそこまで時間に追われる科目でありません。
中小企業診断士の一番最初の科目ということで本番ではとても緊張します。当然あなた以外もみんな緊張しています。そんな時は一度大きく深呼吸して落ち着いて解きましょう。
出題範囲と勉強順序
出題範囲は大きく分けてマクロ経済とミクロ経済の2つです。
マクロ経済
- 国民経済計算の基本的概念
- 主要経済指標の読み方
- 財政政策と金融政策
- 国際収支と為替相場
- 主要経済理論
ミクロ経済
- 市場メカニズム
- 市場と組織の経済学
- 消費者行動と需要曲線
- 企業行動と供給曲線
- 産業組織と競争促進
- その他経済学・経済政策に関する事項
出題内容は上記の通りですが、勉強順序としてはまずミクロ経済から始めることをおすすめします。
理由としてはミクロ経済のほうが勉強した分だけ得点になりやすいから。
マクロ経済は時事問題も入ってきて普段から経済ニュースを見てないと解けないような問題も出てきます。
まずはミクロ経済から学んで経済学特有の考え方に慣れることをおすすめします。
マクロ経済の時事問題対策としてはテレ東BIZがおすすめです。倍速再生もできますし、空き時間に見ることができます。経済学・経済政策で高得点取れた要因の一つだと思っています。
勉強の中心は過去問を解くこと
おすすめの過去問テキストは僕も使った同友館の「過去問完全マスター」。過去10年分が論点別・重要度順にまとめられているので、苦手な個所を集中的に勉強できます!
勉強の中心は過去問を解くことです。
極端に言えば過去問を繰り返しとくだけで合格点に十分に到達できます。
しかし、僕自身もそうでしたが経済学を初めて学ぶ人にとって過去問だけの勉強では効率が悪いです。
そこでおすすめしたいのが石川先生の速習! ミクロ経済学と速習! マクロ経済学のテキストです。
こちらのテキストは中小企業診断士向けに特化した内容ではありませんが、経済学・経済政策を学ぶ上では非常に役立ちます。
中小企業診断士を目指す方だけではなく、国家公務員や公認会計士を目指す方からも高い支持を得ている本です。
この本で一番良いなと思ったのが動画が無料で観られる点。
テキストだけだと理解しにくい点も動画でグラフを書きながら説明してくれるのでスムーズに頭に入ってきます。
過去問で躓いた時に役立つ参考サイト
先ほど過去問を解くことが大切とお伝えしましたが、過去問の解説が少々物足りなく感じるときがあります。
そんな時に役立つサイトをお教えします。
経済学・経済政策だけでなく、財務・会計や運営管理など中小企業診断士の過去問について幅広く解説してくれています。
図解での説明も多く、過去問の解説だけでは足りないと感じたときには参考にしてみてください。
・経済学道場
経済学に関する動画を沢山アップロードされています。
ミクロ経済で頻出論点のIS-LM分析や余剰分析等について詳しい動画が多くあります。
個人的には余剰分析については石川先生の動画よりも分かりやすく感じました。
・ダンシ君のサブノート_中小企業診断士合格Channel
経済学・経済政策を始め、中小企業診断士に関する動画を数多くアップロードしているチャンネルです。
初学者向けにも分かりやすく説明してくれています。
聞き流し1問1答のコンテンツは皿洗いの時によく聞いていました。
まとめ:高得点も可能だが侮るなかれ
経済学・経済政策は二次試験と関連が薄い科目ですのでついつい軽視しがちですが、想定以上に勉強時間が要する場合があるので早めに対策することがおすすめです。
この科目は他に比べて難易度のばらつきが小さく、理解が深まれば安定して得点を稼ぐことも十分に可能です。
試験範囲はマクロ経済とミクロ経済ですが、勉強した分得点になりやすいミクロ経済から勉強を始めてください。
勉強方法は過去問を中心とし、必要に応じて石川先生のテキストやその他参考サイトを活用しましょう。
経済学・経済政策は一次試験一日目の最初の科目です。
最初から躓かないようにしっかりと対策をして臨みましょう!
コメント