『過去問完全マスター』は中小企業診断士の受験生の間でとても有名な問題集で、筆者自身も含めて多くの愛用者がいます。
中小企業診断士の一次試験に合格するうえで、『過去問完全マスター』をフル活用できるかどうかは合否を左右すると言っても過言ではありません。
この記事では、実際に本書だけで独学一発合格した筆者が、
『過去問完全マスター』の良い点・悪い点
『過去問完全マスター』のおすすめの使い方3選
を体験談を交えて具体的に解説していきます。
『過去問完全マスター』の良い点
『過去問完全マスター』は同友館から出版されており、一次試験の7科目すべてに対応しています。
料金は1冊あたり約3,000円で、企業経営理論と運営管理だけは約3,600円と2割ほど高めの価格設定です。
『過去問完全マスター』の良い点は、大きく次の3つです。
- 10年分の過去問が収録されている
- 論点別にまとめられている
- 問題ごとに重要度ランクがつけられている
それでは、一つずつ見ていきましょう。
10年分の過去問が収録されている
『過去問完全マスター』には、直近10年分の過去問が収録されています。
市販のテキストは直近5年分しか収録していないものが主流ですが、本書は10年分をカバーしているため、より多種多様な問題に触れることができます。
『過去問完全マスター』というその名の通り、本書を完全にマスターできれば合格はグッと近づきます。

独学者にとっては、なおさら『過去問完全マスター』は手放せない一冊です。極端に言えば、他のテキストを買わずとも本書だけで合格を狙えます。
論点別にまとめられている
『過去問完全マスター』をおすすめできる理由の1つが、問題が論点別にまとめられている点です。
たとえば財務・会計であれば、
「加重平均資本コスト」
という論点の下に、過去10年間で出題された年度が一覧で記載されています。
つまり、出題回数が多い論点ほど今年も出る確率が高く、優先して対策すべき論点だと一目で分かるわけです。
2回目、3回目と繰り返し解く段階では、得意な論点は飛ばし、苦手な論点を重点的に対策できるのも論点別ならではの強みです。
独学者は「どこが頻出論点か」を誰かに教えてもらえませんが、本書があればその悩みも一気に解決します。
問題ごとに重要度ランクがつけられている
筆者が『過去問完全マスター』を強くおすすめする最大の理由が、各問題に重要度ランク(A・B・C)がつけられている点です。
重要度ランクは、以下のルールで分類されています。
- ランクA:直近10年間で3回以上出題された内容
- ランクB:直近10年間で2回出題された内容
- ランクC:直近10年間で1回出題された内容
書籍にはランクAとランクBの問題が収録されており、ランクCの問題は以下の公式サイトからダウンロードできます。

ランクCの問題をダウンロードする際は、簡単なアンケートに答える必要がありますよ〜!
実際に使ってみた感想として、試験対策としては書籍収録のランクA・ランクBを解ける実力があれば、十分に合格レベルに到達します。
ランクCは直近10年間で1度しか出題されていない、あるいは本書が「重要ではない」と判断した問題(難問・奇問の可能性あり)です。
ランクCに時間を割くよりも、ランクA・ランクBの理解をさらに深めるほうが得策だと言えます。

筆者自身、ランクCの問題は一切解いていません。というより、ダウンロードすらしませんでした。それでも独学一発合格できています。
『過去問完全マスター』の悪い点
ここからは『過去問完全マスター』の悪い点を紹介しますが、先に断っておくと良い点が悪い点を大きく上回っており、以下はおすすめしない理由には一切なりませんのでご安心ください。
それでは、あえて気になる点を挙げてみます。
『過去問完全マスター』の悪い点は、次の3つです。
- 誤植が意外と多い
- 解説がさっぱりしている
- ページの右側に答えが見えてしまうことがある
誤植が意外と多い
『過去問完全マスター』の解説には、いくつか誤植があります。
その数も決して少なくないので、過去問を解く際は以下の公式サイトから正誤表を必ず確認してください。
誤植の中には解答の選択肢そのものが誤っているケースもありますので、十分に注意しましょう。

間違った内容をそのまま覚えてしまったら、本当にもったいないですからね……。
解答の解説がさっぱりしている
『過去問完全マスター』は一問一答式で、問題ごとに解説がついています。
解説は端的にまとめられており、ある程度実力がついてくると「ちょうどよい」と感じますが、勉強初期の段階ではまったく理解できないこともあります。
前提となる知識が不足していると、解説を読んでも先に進めなくなる可能性があります。まずは各科目の基礎知識をテキストで押さえてから取り組むとスムーズです。
各科目の具体的な勉強法については、それぞれ別記事で解説していますのでご参考ください。
財務・会計の難易度と勉強法
企業経営理論の難易度と勉強法
運営管理の難易度と勉強法
経営法務の難易度と勉強法
経営情報システムの難易度と勉強法
中小企業経営・政策の難易度と勉強法
ページの右側に答えが見えてしまうことがある
先ほど触れたとおり『過去問完全マスター』は一問一答式で、基本的には見開きの左ページに前問の解説、右ページに次の問題が掲載されています。
ところが、経済学・経済政策と企業経営理論に多いのですが、1問が非常に長く2ページにわたって掲載される場合があります。
すると見開きの左ページに問題、右ページに解答が並んでしまい、問題を解こうとした瞬間に解答が目に入ってしまうのです。
該当する問題はそれほど多くありませんが、『過去問完全マスター』にぜひ改善してほしい点です。
『過去問完全マスター』のおすすめの使い方3選
ここまで良い点・悪い点を紹介してきましたが、結論として良い点が圧倒的に上回っており、最短で合格を目指すなら本書を買わない選択肢はありません。
ここからは、『過去問完全マスター』のおすすめの使い方3選を、筆者の体験談を交えて紹介していきます。
①ランクA・ランクBの問題のみを解く
『過去問完全マスター』は、中小企業診断士を目指す人にとって最高の問題集です。
使い方の基本は、本書に収録されたランクAとランクBの問題のみを解くことです。
「Cランクは解かなくていいの?」と不安になるかもしれませんが、ランクCに手を広げるより、ランクA・ランクBの理解度を上げるほうがはるかに得策です。

事実、筆者はランクAとランクBだけを解いて1年で独学合格しました。模試も受けず、ひたすら愚直に問題を解き続けただけです。
②解けるまで繰り返し解く
次にやるべきことは、ランクA・ランクBの問題を解けない問題がなくなるまで繰り返し解くことです。
繰り返す中で、「もう何回やっても確実に解ける」という問題は飛ばしていきます。
この得意・不得意の管理には、次に紹介するスプレッドシートを活用しましょう。
③スプレッドシートで得意・不得意を管理する

各科目ごとにスプレッドシートを作り、自分の得意分野・苦手分野を把握して効率的に勉強。
上の画像は、筆者が財務・会計で実際に使っていたスプレッドシートの一部です。
自分の得意・不得意を管理し、最終的にすべての問題が〇になることを目標にします。
印は〇・△・×の3種類を使い分けており、それぞれの意味は以下の通りです。
〇:自信をもって解ける
△:一応正解したが、解説を読んでもイマイチ理解できていない
×:不正解
基本的には、〇が2回続いた問題はそれ以降は解くのをやめていました。
正解しても、2択まで絞ってあとは勘で当てた場合は△をつけています。ここを正直につけるのが実力アップの近道です。
ExcelでもかまいませんがGoogleスプレッドシートのほうがおすすめです。
勉強する場所はいつも同じとは限りませんし、スプレッドシートなら別の端末からもすぐに共有・確認できて使い勝手が良いからです。
まとめ:繰り返し解いてスプレッドシートで管理するのがおすすめ!
『過去問完全マスター』は、中小企業診断士の一次試験を突破するために非常におすすめの問題集です。
本記事では良い点と悪い点の両方を挙げましたが、良い点が悪い点を圧倒的に上回っており、独学者にとっては必須の一冊と言えます。
ランクA・ランクBを何度も繰り返し解き、解けない問題がなくなるまで実力を高めれば、合格は確実に見えてきます。
そして、自分の得意分野・苦手分野はスプレッドシートで管理していきましょう。
『過去問完全マスター』を武器に、合格を勝ち取りましょう!
なお、「独学の問題集学習だけでは少し不安」という方は、低価格帯の通信講座を併用するのも一つの手です。以下の記事で主要な通信講座を比較していますので、参考にしてみてください。
また、一次試験を突破したあとは二次試験の過去問演習が待っています。二次試験は模範解答が公表されないため、過去問の使い方が一次試験とは大きく変わります。二次試験の過去問対策については以下の記事で解説しています。




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