- 専門家が選ぶ「40代からの学び直しに役立つ資格」
- ビジネスパーソンが新たに取得したい資格
これらのランキングで1位に選ばれるなど、いま非常に注目を集めているのが「中小企業診断士」の資格です。
キャリアアップや将来への備えとして、取得を検討している方も多いのではないでしょうか。
とはいえ、難関国家資格とも言われる中小企業診断士の合格率は何%で、難易度はどれくらいなのでしょうか。
本記事では、他の難関資格や大学入試の偏差値と比較しながら、その難易度をわかりやすく解説していきます。
結論:中小企業診断士の難易度は?
- 合格率:一次×二次でおよそ5%前後
- 大学入試の偏差値でいうと:約67(東北大学・名古屋大学などの旧帝大クラス)
- 資格の難易度ランキング:二次試験(筆記)はSランク、一次試験はAランク
以下で、合格率・難易度・偏差値の根拠を順に詳しく解説します。
中小企業診断士とは
まずは、中小企業診断士がどんな資格なのかを簡単に紹介します。
中小企業診断士とは、中小企業が抱える経営課題に対して、診断やコンサルティングを行う専門家です。
コンサルティング自体は資格がなくてもできる仕事ですが、中小企業診断士は経営コンサルタントのプロと国に認められた唯一の国家資格であり、顧客からの信頼を得やすいという大きなメリットがあります。
資格取得後は、独立して活動する人もいれば、所属企業に在籍したまま活躍する「企業内診断士」もいます。

企業内診断士として働きながら副業で少しずつ実績を積み、満を持して独立する人も少なくありませんよ!
中小企業診断士の合格率
中小企業診断士になるルートはいくつかありますが、王道は次のルートです。
一次試験 → 二次試験(筆記試験) → 二次試験(口述試験)
合計3回の試験に合格して、ようやく中小企業診断士になれる権利を得られます。
(ここで「権利」と書いたのは、二次試験に合格しても、その時点ではまだ"中小企業診断士"ではないためです。この後、実務補習などを経て、初めて中小企業診断士と名乗ることができます。)
合格率は後ほど詳しく説明しますが、ざっくりまとめると
合格率:一次試験(20~30%) × 二次試験(20%) = 4~6%
です。
それでは、各試験の難易度や合格率を順番に見ていきましょう。

実は、二次試験を受けずに中小企業診断士になる方法もあります。
詳しくは以下の記事からご確認ください。
なお、中小企業診断士の受験には「大卒以上」「実務経験〇年以上」といった条件は一切なく、誰でも受験できます。
一次試験の合格率
一次試験は7科目あり、すべてマークシート方式で行われます。
- 経済学・経済政策
- 財務・会計
- 企業経営理論
- 運営管理
- 経営法務
- 経営情報システム
- 中小企業経営・政策
このうち財務・会計、企業経営理論、運営管理の3科目は、二次試験(筆記試験)と大きく関わってきます。
一次試験の合格基準は、以下のように定められています。
【合格基準】
① 第1次試験の合格基準は、総点数の60%以上であって、かつ1科目でも満点の40%未満のないことを基準とし、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
② 科目合格基準は、満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。
簡単に言えば、「1科目でも40点未満があると不合格。そのうえで、7科目合計420点以上を取れば合格」ということです。

得意科目を作ることも大切ですが、それ以上に「苦手科目(=足切り科目)を作らないこと」が重要です。
各年度の受験者数と合格率は、以下の表のとおりです。
一次試験合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和7年度 | 18,360 | 4,344 | 23.7% |
| 令和6年度 | 18,209 | 5,007 | 27.5% |
| 令和5年度 | 18,621 | 5,521 | 29.6% |
| 令和4年度 | 17,345 | 5,019 | 28.9% |
| 令和3年度 | 16,057 | 5,839 | 36.4% |
| 令和2年度 | 11,785 | 5,005 | 42.5% |
| 令和元年度 | 14,691 | 4,444 | 30.2% |
| 平成30年度 | 13,773 | 3,236 | 23.5% |
| 平成29年度 | 14,343 | 3,106 | 21.7% |
| 平成28年度 | 13,605 | 2,404 | 17.7% |
| 平成27年度 | 13,186 | 3,426 | 26.0% |
合格率は令和2〜3年度に40%前後・36%と高水準でしたが、その後は落ち着き、令和7年度(2025年度)は23.7%と近年ではやや低めの水準になりました。
それでも平成の時代は20%前後で推移していたことを踏まえると、令和に入ってからの合格率は依然として高めの傾向です。
受験者数は令和5年度以降18,000人を超える規模で推移しており、中小企業診断士を目指す人の裾野は着実に広がっています。

中小企業経営・政策でも学びますが、日本の中小企業は多くの課題を抱えています。診断士の数を増やして日本の中小企業を支えていこう——近年の合格率の高さからは、そんな国の狙いも感じられます。
また、一次試験には科目合格制度があり、翌年度と翌々年度の一次試験を受験する際に合格済みの科目を免除できます。
② 科目合格基準は、満点の60%を基準として、試験委員会が相当と認めた得点比率とします。

この科目合格制度を活用して、複数年での合格を目指す人も少なくありません。
では、各科目の合格率はどれくらいなのでしょうか。
以下のグラフをご覧ください。
一次試験科目別合格率
グラフを見ると、経済学・経済政策は比較的高い合格率で安定している一方、経営法務は毎年合格率が低いことが分かります。
また、企業経営理論は年度による変動が激しいのも特徴です。
各科目の詳しい難易度や勉強法については、以下の記事を参考にしてください。
財務・会計の難易度と勉強法
企業経営理論の難易度と勉強法
運営管理の難易度と勉強法
経営法務の難易度と勉強法
経営情報システムの難易度と勉強法
中小企業経営・政策の難易度と勉強法
二次試験(筆記試験)の合格率
一次試験に見事合格したら、次は二次試験(筆記試験)です。
二次試験(筆記試験)はすべて記述式で、試験科目は合計4つあります。
- 事例Ⅰ(組織・人事)
- 事例Ⅱ(マーケティング・流通)
- 事例Ⅲ(生産・技術)
- 事例Ⅳ(財務・会計)
なかでも「事例Ⅳの出来が合否を決める」と言われるほど事例Ⅳは重要で、一次試験の期間中から少しずつ対策しておくことをおすすめしています。

事例Ⅳは一次試験の財務・会計の延長線上にあるので、事例Ⅳの勉強は財務・会計対策にもそのままプラスになりますよ!
二次試験(筆記試験)合格率
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和7年度 | 7,044 | 1,241 | 17.6% |
| 令和6年度 | 8,107 | 1,516 | 18.7% |
| 令和5年度 | 8,241 | 1,557 | 18.9% |
| 令和4年度 | 8,712 | 1,632 | 18.7% |
| 令和3年度 | 8,757 | 1,605 | 18.3% |
| 令和2年度 | 6,388 | 1,175 | 18.4% |
| 令和元年度 | 5,954 | 1,091 | 18.3% |
| 平成30年度 | 4,812 | 906 | 18.8% |
| 平成29年度 | 4,279 | 830 | 19.4% |
| 平成28年度 | 4,394 | 842 | 19.2% |
| 平成27年度 | 4,941 | 944 | 19.1% |
受験者数は、一次試験合格者の増加を受けて令和6年度まで増加傾向が続きましたが、令和7年度は一次試験合格率の低下を反映して減少しました。
しかし、この二次試験(筆記試験)で最も特徴的なのは、その合格率です。
見事なまでに、毎年18%前後に収まっています。
公式には発表されていませんが、二次試験(筆記試験)は上位20%が合格する相対評価の試験である可能性が非常に高いと言えます。
つまり、自分が高得点を取っても周りがさらに上回れば落ちてしまい、逆に自分の出来がイマイチでも周りがもっと振るわなければ合格できるチャンスがある、ということです。

一次試験以上に、「周りが解ける問題を確実に解く」ことが重要になってきます!
次に、二次試験(筆記試験)の合格基準を見ていきましょう。
【合格基準】
筆記試験における総点数の 60% 以上で、かつ、1科目でも満点の 40% 未満がなく、口述試験における評定が 60% 以上であることを基準とします。
なお、口述試験を受ける資格は、当該年度のみ有効であり、翌年度に持ち越しすることはできません。
考え方は一次試験と同じです。
「各科目40点以上を確保し、そのうえで4科目合計240点以上を取れば合格」ということです。
なお、一次試験には科目合格制度がありましたが、二次試験に科目合格制度はありませんのでご注意ください。
二次試験(口述試験)の合格率
【2026年の制度変更】令和8年度(2026年度)から、二次試験の口述試験は廃止されました。
これにより令和8年度以降は、二次試験(筆記試験)に合格した時点でそのまま最終合格となります。以下の合格率は、口述試験が実施されていた令和7年度(2025年度)までの実績です。
二次試験(筆記試験)さえ突破すれば、中小企業診断士の試験に合格したようなものです。
下の表をご覧ください。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 合格率 |
| 令和3年度 | 1,605 | 1,600 | 99.7% |
| 令和2年度 | 1,175 | 1,174 | 99.9% |
| 令和元年度 | 1,091 | 1,088 | 99.7% |
| 平成30年度 | 906 | 905 | 99.9% |
| 平成29年度 | 830 | 828 | 99.8% |
| 平成28年度 | 842 | 842 | 100% |
| 平成27年度 | 944 | 944 | 100% |
合格率は平均99%超で、100%の年度もあります。
実施最後となった令和7年度(2025年度)も、口述試験を受けた1,241人のうち1,240人が合格しており、合格率は99.9%でした。
合格して当たり前、むしろ落ちるほうが難しいと言えるほどの試験でした。

とはいえ「受かって当たり前」と言われると、逆に「落ちたらどうしよう」というプレッシャーが凄まじかったです。
二次試験(口述試験)では、その年度の筆記試験の事例から2つがピックアップされ、それぞれについて試験官から2問程度質問されます。
その質問に対して、適切に回答していく面接形式の試験です。

筆者の場合は事例Ⅲと事例Ⅳから質問されました。途中、回答に詰まる場面もありましたが、なんとか黙り込まずに話し切ることができました。
これほど合格率が高いと、「口述試験に落ちるのはどんな人?」と気になりますよね。
実際に落ちた経験のある方のブログがありましたので、ご紹介します。
紹介したブログにもあるとおり、口述試験では『黙り込まない』ことがとても重要なようです。
中小企業診断士の難易度
難関国家資格と言われる中小企業診断士ですが、その難易度は実際どれくらいなのでしょうか。
3つの試験の難易度を序列で表すと、次のようになります。
二次試験(筆記試験) > 一次試験 >>>>>> 二次試験(口述試験)
※二次試験(口述試験)は令和8年度(2026年度)から廃止されています。
二次試験(筆記試験)が最も難しく、二次試験(口述試験)は超簡単、というわけです。
それぞれ具体的に見ていきましょう。
一次試験の難易度
難易度:普通〜難
一次試験は7科目あり、受験者の経歴や現在の職種によっても体感難易度は変わってきます。
たとえば学生時代に経済学を専攻していた人は経済学・経済政策を易しく感じるでしょうし、現在IT関連の仕事をしている人にとっては経営情報システムがサービス科目になるかもしれません。
ただ、7科目全体を通して言えるのは、勉強した分だけ着実に点数が上がっていくという点です。
大学受験にたとえるなら、共通テスト(センター試験)の勉強をしているような感覚でした。

コツコツと勉強を積み重ねていけば、合格は自ずと近づいてきます!
各科目ごとの難易度については、以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてみてください。
二次試験(筆記試験)の難易度
難易度:難
中小企業診断士の試験で最も難しいのが、二次試験(筆記試験)です。
記述式であるこの試験の難易度をとりわけ高めている要因が、模範解答が公開されていないという点です。
正解が分からないということは、いったん間違った方向で理解してしまうと、いつまでも二次試験に合格できなくなる恐れがあるということです。

そこで大活躍するのが「ふぞろい」というテキストです!
また、独学で答案の方向性に不安がある方は、プロの添削指導を受けられる通信講座を利用するのも一つの方法です。
二次試験(口述試験)の難易度
難易度:超易
筆記試験とは対照的に、二次試験(口述試験)は非常に易しいです。
合格率が100%になる年度もあるほどなので、筆記試験を突破した人にとって恐れる必要はまったくありませんでした。
なお、この口述試験は令和8年度(2026年度)から廃止され、令和8年度以降は二次試験(筆記試験)の合格がそのまま最終合格となっています。
他の難関資格との難易度ランキング比較
| 難易度 | 資格名 |
| SS | 司法試験、公認会計士、国家公務員 総合職、医師 |
| S | 司法書士、弁理士、ITストラテジスト、税理士、不動産鑑定士、中小企業診断士(二次筆記試験) |
| A | 宅地建物取引士、行政書士、社会保険労務士、総合旅行業務取扱管理者、中小企業診断士(一次試験) |
| B | FP2級、簿記2級、販売士1級 |
二次試験(筆記試験)の難易度はSランクで、他の難関資格と並ぶほど非常に難しい部類です。
記述式であることに加え、模範解答が公表されていない点が、難易度を一段と高める要因になっています。
一方、一次試験は難易度がやや下がってAランクです。
7科目あるため勉強時間は他資格より多くなりがちですが、その分、勉強量に応じて着実に点数が伸びていきます。

難易度の高い資格には受験資格が設けられているものも多いですが、中小企業診断士に受験資格はありません。年齢やキャリアに関係なく、あらゆる人にチャンスがある資格です。
なお、中小企業診断士にはダブルライセンス・トリプルライセンスの方が多く、なかでもFPや行政書士の資格はとても人気です。
大学入試の偏差値で比較
| 難易度 | 資格名 |
| 70~ | 東京大学、京都大学、大阪大学、早稲田大学、慶應義塾大学 |
| 65~69 | 東北大学、名古屋大学、東京工業大学、一橋大学、上智大学、東京理科大学、中小企業診断士 |
| 60~64 | 筑波大学、千葉大学、明治大学、東京理科大学、同志社大学、立命館大学、中小企業診断士(二次筆記試験) |
| ~59 | 日本大学、東洋大学、駒澤大学、専修大学、京都産業大学、近畿大学、中小企業診断士(一次試験) |
中小企業診断士の合格率は、一次試験の合格率約25〜30%と二次試験(筆記試験)の合格率約18%をかけ合わせて、およそ5%前後です。
この合格率から算出すると、中小企業診断士の偏差値は67に相当します。
東京大学ほど高くはありませんが、東北大学や名古屋大学といった旧帝大並みの偏差値です。
試験別に見ると、二次試験(筆記試験)の偏差値は60、一次試験の偏差値は55です。
二次試験(筆記試験)はMARCHレベル、年々合格率が上がっている一次試験は日東駒専レベル、というイメージになります。
模範解答が公開されない二次を独学で乗り切る具体的な方法は、ふぞろいな合格答案の使い方(二次の独学勉強法) で解説しています。
まとめ:合格者数は年々増加中
中小企業診断士は経営コンサルタントのプロと認められた唯一の国家資格であり、一次試験の受験者数は18,000人を超える規模まで拡大しています。
一次試験の合格率は、令和に入ってからは20%台後半〜30%台で推移しており(令和7年度は23.7%)、平成期の20%前後より高めの傾向です。
一方、二次試験(筆記試験)は毎年18%前後で推移しており、公式発表こそないものの、相対評価の試験だと考えられます。
受験者数が年々増加し、一次試験の合格率も近年高いことから、合格者数は年々増えています。
中小企業診断士の難易度の序列は、
二次試験(筆記試験) > 一次試験 >>>>>> 二次試験(口述試験)
※二次試験(口述試験)は令和8年度(2026年度)から廃止されています。
です。
二次試験(筆記試験)は記述式であり、模範解答が公開されていないことも難易度を高める要因になっています。
一次試験は7科目あるため一定の勉強時間の確保が必要ですが、勉強量に応じて着実に点数が上がっていく感覚です。
中小企業診断士の偏差値は67で、大学入試でたとえると東北大学や名古屋大学などの旧帝大レベルの難しさに相当します。
他の難関資格と比べても、司法書士やITストラテジストと同等レベルと言えます。
難関資格である中小企業診断士ですが、合格したときの高揚感や満足感は非常に大きなものです。
勉強を積み重ねて、ぜひ合格を勝ち取りましょう!




コメント