中小企業診断士一次試験で重要科目の一つが財務・会計です。
二次試験事例Ⅳとも関連が深く、財務・会計と事例Ⅳの出来具合が試験の合否を決めるといっても過言ではありません。
苦手意識を持っている方も多い財務・会計について本記事では以下の内容について書いていきます。
・勉強のコツや二次試験事例Ⅳについて
・おすすめテキストや参考サイト
財務・会計の難易度と勉強法
企業経営理論の難易度と勉強法
運営管理の難易度と勉強法
経営法務の難易度と勉強法
経営情報システムの難易度と勉強法
中小企業経営・政策の難易度と勉強法
合格率は年度によってバラバラ。数年に一度は合格率が1桁%。
財務・会計、企業経営理論は中小企業診断士の試験科目の中で中心となる科目です。
おそらく9割以上の受験生はどちらかの科目から勉強を始めます。
企業経営理論に対して苦手意識を持つ受験生は多くありませんが、財務・会計に対しては苦手意識を持つ受験生が多く鬼門になっている科目といえます。
反対に財務・会計を得意にできれば合格へグッと近づくことができます!
一番最初に勉強を始めたのが財務・会計でした。解くのが楽しい科目の一つだったので気分転換で過去問を解くときもありました。
年度別合格率
年度 | 合格率 |
令和3年度 | 22.4% |
令和2年度 | 10.8% |
令和元年度 | 16.3% |
平成30年度 | 7.3% |
平成29年度 | 25.7% |
平成28年度 | 21.6% |
平成27年度 | 36.9% |
上の表は財務・会計の年度別の合格率です。
経済学・経済政策は合格率が約20%程度で安定していましたが、財務・会計は年度ごとのバラつきが大きい科目です。
数年に一度は合格率が1桁%になることもありますので、最低でも足切りラインに引っかからない40点は安定して取れる実力をつけましょう。
財務・会計は継続的な勉強が必要な科目です。「最近勉強してないな」と感じたら1問でも良いので問題を解いてみましょう。継続は力なり!です。
出題形式と配点
- 試験時間は60分
- 問題数は25問
- 1問あたり4点
財務・会計は一次試験初日の2番目の科目です。
注意していただきたいのはこの財務・会計が全7科目中一番試験時間が足りないと感じる科目です。
そこで普段から1問解くのにかかる時間を測ることをおすすめします。
60分で25問解くためには、1問あたり約2分20秒しかかけることができません。
時間を測ってみると分かりますがあっという間に2分が経ちますよ。
また、財務・会計では電卓は使えませんので普段から自分で式を書いて解くことに慣れておく必要があります。
一方、二次試験の事例Ⅳでは電卓は使えます。
財務・会計のおすすめの勉強時間帯は夕方から夜です。なぜこの時間帯かというと頭が疲れている時間帯だからです。普段から負荷をかけた状態で勉強しておくと良いでしょう。
ちなみに二次試験の事例Ⅳは夕方に行われます。
出題範囲
- 簿記の基礎
- 企業会計の基礎
- 原価計算
- 経営分析
- 利益と資金の管理
- キャッシュフロー(CF)
- 資金調達と配当政策
- 投資決定
- 証券投資論
- 企業価値
- デリバティブとリスク管理
- その他財務・会計に関する事項
出題内容は上記の通りですが、この中で3.原価計算~8.投資決定は頻出論点であり(二次試験にも直結する!)、確実に理解を深めておきたい分野です。
その他の分野は少し難易度が上がりますが、合格点そして8割以上目指すためには落とせない内容になっています。
「1.簿記の基礎、2.企業会計の基礎」は簿記の資格を持っているかで勉強時間が大きく変わってきます。詳しくはこちらを参考にしてみてください。
勉強の中心は過去問を解くこと。早めに二次試験事例Ⅳの対策も
おすすめの過去問テキストは僕も使った同友館の「過去問完全マスター」。過去10年分が論点別・重要度順にまとめられているので、苦手な個所を集中的に勉強できます!
財務・会計に限らず中小企業診断士試験は過去問を解くことが勉強の中心です。
しかし、財務・会計は問題の理解をしっかりできないと得点することができません。
過去問の解説を読んでも理解が深まらない場合は、この後紹介する参考サイトやyoutubeチャンネルを参考にしてみてください。
また、1年で独学合格を目指す方は一次試験の勉強期間中に二次試験事例Ⅳの勉強を軽く始めておくことをおすすめしています。
その他の事例Ⅰから事例Ⅲまでは一次試験終了後に勉強を開始しても十分に間に合いますが、事例Ⅳは勉強時間が最も必要になる科目ですので春~夏くらいに少しずつ解いてみてください。
事例Ⅳを少しずつ解けるようになったら財務・会計の力もさらに強固になっているでしょう。
もし、「そんな余裕なんてないよ!」という方も、二次試験の勉強で使うテキストを一次試験勉強期間中に購入しておいてください。
一次試験の合格発表後に購入しようとすると、例年在庫切れとなっている確率が高いので二次試験の勉強の遅れてしまう可能性があります。
事例Ⅳのおすすめテキストはこちらです。
ここ数年で中小企業診断士の受験者数が大幅に増えてきています。二次試験の勉強を始めようと思ったときにテキストがないってことはないように早めに準備しておきましょう。
過去問で躓いた時に役立つ参考サイト
先ほど過去問を解くことが大切とお伝えしましたが、過去問の解説が少々物足りなく感じるときがあります。
そんな時に役立つサイトをお教えします。
財務・会計だけでなく、経済学・経済政策や運営管理など中小企業診断士の過去問について幅広く解説してくれています。
図解での説明も多く、過去問の解説だけでは足りないと感じたときには参考にしてみてください。
・ほらっちチャンネル
中小企業診断士の勉強している方ならご存じの方も多いと思います。
ほらっちこと洞口先生の講義は何といっても熱量が凄いです!
現役中小企業診断士として活躍されている洞口先生からのお話は興味深いものばかりです。
財務・会計以外にも企業経営理論や中小企業経営・政策の動画も豊富です。
ほらっちチャンネルの動画はほぼ全部見ました!
とても分かりやすいですし、一度ご覧になってみることを強くおすすめします。
・ダンシ君のサブノート_中小企業診断士合格Channel
財務・会計を勉強していると必ずと言っていいほど、CFのところで一度躓きます。
もし、躓いてしまったときはこのチャンネルを見てください。
きっとあなたの疑問も解決してくれるはずです!
事例Ⅳを勉強するときにもCFの動画が大変参考になりました!
まとめ:財務・会計は手を動かすことが肝心
財務・会計は二次試験とも関連が深く、試験突破の肝となる科目です。
年度毎の合格率にはバラつきがあり、数年に一度は合格率が1桁%になることもあります。
もし、財務・会計の難易度があがったとしても足切りラインの40点をいつでも死守できるよう時間を測りながら何度も問題を解きましょう。
3.原価計算~8.投資決定が頻出論点のため、まずはこの分野をマスターすることを強くおすすめします。
1年でストレート合格を目指す場合には、一次試験勉強期間中から事例Ⅳの勉強を少し始めておくことをおすすめします。
また、一次試験の合格発表後に二次試験のテキストを購入しようとすると品切れになっている可能性があるので早めにテキストは確保しておきましょう。
何度も過去問を解くことで必ず実力がついてきます。
難関科目の財務・会計で合格点を取り、一次試験突破を目指しましょう!
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