中小企業診断士の資格取得までに必要な費用と資格取得後の必要な費用はどれくらいなのでしょうか。
資格取得までにはまず受験費用や学習費用が必要ですね。
また、資格取得後に中小企業診断士になるための登録料や維持費用も必要になってきます。
この記事では中小企業診断士にまつわる費用を詳しく書いていきます。
中小企業診断士になるまでに必要な費用
中小企業診断士になるためのルートで200万以上費用が違う
中小企業診断士になるためのルートは以下の3つがあります。
- 一次試験合格 → 二次試験合格 → 実務補習 ※最もオーソドックス
- 一次試験合格 → 二次試験合格 → 実務従事 ※最も安価
- 一次試験合格 → 養成課程 ※最も高額
実はこの中小企業診断士になるルートによって費用は200万以上も違います。
最もオーソドックスなルートは一次試験と二次試験合格後に15日間の実務補修を経て中小企業診断士に登録するルートです。
または、実務補修の代わりに実務従事することでも中小企業診断士登録への要件を満たすことができます。
そのほかに、一次試験合格後に中小企業基盤整備機構または登録養成機関が実施する養成課程へ進めば二次試験を受けずとも中小企業診断士に登録できます。
それではもう少し詳しく解説していきます。
一次試験・二次試験の受験費用
中小企業診断士の試験は一次試験と二次試験があり、それぞれに受験手数料が必要になります。受験費用は以下の通りです。
- 一次試験の受験手数料 14,500円(令和3年度までは13,000円)
- 二次試験の受験手数料 17,800円(令和3年度までは17,200円)
令和4年度からは受験料が約2,000円ほど値上がりし受験費用として32,300円必要になります。
テキスト代や通信講座・予備校等の勉強費用
勉強する際に必要なテキストや通信講座・予備校を利用する場合にも費用がかかります。
以下は勉強法別にかかる一般的な費用です。
- 独学 … 約4万5千円
- 通信講座 … 約6万円
- 予備校 … 約15万円
独学で勉強する場合は最も費用を抑えることができます。
一方、通信講座や予備校を利用すると効率的に学習することができます。
勉強費用は大体5万円~15万円を見込んでおくと良いでしょう。
実務補習にかかる費用
中小企業診断士になるためには二次試験合格後3年以内に実務補習を15日間受ける必要があります。
二次試験合格後3年以内というのは注意が必要です。
受け方は15日間コースを1回または5日間コースを3回のどちらかですが、15日間コースは日程的にもかなりハードなので5日間コース×3回がおすすめです。
気になる実務補習の費用は15日間合計で約18万円かかります。
更に、実務補習にはノートパソコンが必須なのでノートパソコンを持ってない方は、プラス10万円は見込んでおく必要があります。
僕も一番オーソドックスな5日間コース×3回を選択しました。また、この機会にノートパソコンも新調しました。
実務従事にかかる費用
実務従事は、言葉の通り、実務に従事する必要があります。
診断先は知り合いの個人事業主でも問題なく、診断終了後には診断助言業務実績証明書の記入・捺印をもらう必要があります。
費用面でいうと知り合いの方に頼むのであれば0円で済む可能性もあります。
ただし、誰でも知り合いの方に経営者がいるとは限りませんし、今後の中小企業診断士として経営コンサルタントとして働くことを念頭に置くのであれば、一度は実務補修を受けることをおすすめします。
養成課程にかかる費用
二次試験と実務補修もしくは実務従事を行わずとも中小企業診断士になれる、養成課程の費用面はかなり高額です。
以下は養成課程・登録養成課程実施機関の一覧と費用です。
機関名 | 費用 |
中小企業大学校 | 234万円 |
法政大学 | 229万円 |
公益財団法人日本生産性本部 | 264万円 |
日本マンパワー | 275万円 |
名古屋商科大学 | 253万円 |
一般社団法人中部産業連盟 | 220万円 |
東海学園 | 不明 |
東洋大学 | 207万円 |
千葉商科大学 | 258万円 |
兵庫県立大学 | 183万円 |
城西大学 | 257万円 |
一般社団法人福岡県中小企業診断士協会 | 275万円 |
札幌商工会議所 | 204万円 |
日本工業大学 | 230万円 |
※最新情報は各HPをご確認ください。
上記をご確認いただけるとお分かりになるように平均的に220~230万円程度の費用がかかります。
受講できれば確実に中小企業診断士に登録できるメリットはありますが、費用が高額になる点は注意が必要です。
小まとめ:中小企業診断士になるまでに必要な費用
これらの費用をまとめるとルート別の費用は以下になります。
最も安いルートと高いルートで200万以上も費用に差があります。
- 一次試験合格 → 二次試験合格 → 実務補習 (約30万円+α)
- 一次試験合格 → 二次試験合格 → 実務従事 (約13万円)
- 一次試験合格 → 養成課程 (約240万円)
1.一次試験合格 → 二次試験合格 → 実務補習
このルートは最もオーソドックスなルートで、受験手数料・勉強費用・実務補習費用を合計すると約30万円+αを見込んでおくと良いです。
+αとしたのは実務補修ではノートパソコンが必須となるために、新たに購入する場合はノートパソコン購入費用も入れる必要があるためです。
2.一次試験合格 → 二次試験合格 → 実務従事
このルートは最も安くなる可能性があるルートです。可能性があるといったのは実務従事にかかる費用が不透明だからです。
もし、知り合いの経営者に依頼出来て実務従事費用が0円で済めば、受験手数料と勉強費用だけで十分です。
3.一次試験合格 → 養成課程
このルートは最も高額になりますが、難関と言われている二次試験をパスすることができます。
一次試験の受験手数料と勉強費用に養成課程に通う受講料があれば中小企業診断士に登録可能です。
資格取得後にかかる費用
登録費用
中小企業診断士に登録するために費用は0円です。
これは意外に思われる方もいるでしょう。
例えば、公認会計士ですと登録費用に16万円程度かかるといわれています。
他の士業でも登録費用がかかるものが多いですが、中小企業診断士の登録費用はかかりません。
有効期間と更新費用
中小企業診断士の登録費用はかかりませんが、維持費用、つまり更新費用はかかります。
まず、中小企業診断士の有効期間は5年間ですが、この有効期間内に更新登録が必要です。
更新する際の要件は、以下の2つとなります。
- 専門知識補充要件
- 実務要件
専門知識補充要件は細かく見ると3つありますが、最もポピュラーなのが理論政策更新研修です。
この理論政策更新研修を5年間で5回受ける必要があります。
研修は1回あたり6,300円ですので5回受けると、31,500円の費用がかかります。
実務要件は、中小企業診断士として独立している場合は働きながら要件を満たすことができますが、企業内診断士の場合などで実務従事していない方は、実務補習を受ける必要があります。
実務補習は1回あたり6日間の実施日数で、この実務補習をこちらも5年間で5回受ける必要があります。
実務補習の費用は中小企業診断協会に入会しているか否かで料金が変わってきますが、例えば、東京協会会員であれば1回あたり36,000円ですので、こちらを5回受けると180,000円かかります。
維持費用は安くはないですね。その方にとっては次に紹介する休止制度を活用してみてはいかがでしょうか。
休止制度について
中小企業に対する経営診断実務の機会がない場合は、休止制度を活用することをおすすめします。
休止制度を利用すると登録有効期間を最大15年も延長することができます。
登録を再開するためには、更新研修を5回、実務補習に15日受講する必要がありますのでご注意ください。
(任意)中小企業診断協会への入会金と年会費
中小企業診断協会への入会は必須ではなく任意です。
入会しておくと先ほどの更新要件に必要になる実務補習の費用が安くなるといったメリットもあります。
入会金、年会費は各都道府県によって変わってきますが、東京都の場合は、
入会金が3万円、年会費が5万円となっています。
まとめ:結局いくらかかるの?
資格取得までにかかる費用は選択するルートによって大きく変わります。
ルート別の費用は以下のようになります。
- 一次試験合格 → 二次試験合格 → 実務補習 (約30万円+α)
- 一次試験合格 → 二次試験合格 → 実務従事 (約13万円)
- 一次試験合格 → 養成課程 (約240万円)
資格取得後にかかる費用は主に維持費用です。
免許の更新要件を満たすために、5年間で理論政策更新研修費用として31,500円、実務補習費用として約18万円が必要となります。
別途、任意ではありますが、中小企業診断協会に入会すると入会金や年会費が必要となります。
中小企業診断士として独立してる場合、維持費用もっと費用は抑えることはできます。
維持費用は意外と高いと思われる方もいらっしゃるかと思いますが、必要経費として割り切って中小企業診断士として活躍することを第一目標として頑張りましょう!
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