中小企業診断士二次試験の筆記試験は、事例Ⅰ~Ⅳの4科目それぞれに80分間という制限時間が設けられています。
一次試験は時間が余る科目も多く、時間配分をあまり意識しなくても対応できました。しかし二次試験は「80分では全然足りない」と感じる受験生がほとんどです。
限られた80分間を最大限に活かすには、どのように時間を使えばよいのでしょうか。
本記事では、独学で一発合格した筆者の経験をもとに、事例Ⅰ~Ⅳそれぞれのおすすめの時間配分を具体的に解説します。
二次試験の科目別おすすめ時間配分
二次試験は事例Ⅰ~Ⅳの4科目ありますが、このうち事例Ⅰ~Ⅲは出題内容こそ違えど、時間配分に大きな差はありません。
一方で事例Ⅳは計算問題が中心の科目であり、他の3科目よりも「時間が足りない」と感じる人が多いのが特徴です。
いずれの科目でも、適切なタイムマネジメントが合格への必須条件となります。まずは事例Ⅰ~Ⅲから見ていきましょう。
事例Ⅰ~Ⅲのおすすめ時間配分
・~5分 準備
まず始めに受験番号と名前を記入します。当たり前のことですが、記入し忘れるとこれまでの努力がすべて水の泡です。
丁寧に書き終えたら、与件文の第一段落と最終段落に目を通し、事例企業の全体像をざっくり把握します。
続いて各設問の配点を確認しましょう。
配点は基本的に20~25点ですが、まれに30点の設問も出題されます。
配点の高い設問は大きな得点源になりますので、重点的に対応することを意識しておきます。

開始の合図とともにホッチキスを外し、問題用紙を小さく破く受験生が大勢います。「ビリビリッ」と大きな音が一斉に響くので最初はびっくりしますが、焦らず平常心を保ちましょう。
・~10分 設問確認
次に各設問をじっくり読み込みます。
設問内に登場人物が出てきたら、〇・△・□などの印をつけておきます。
このとき、その設問が「理由」を聞いているのか、「助言」を求めているのか、それとも「解決策」を求めているのかを、配点を意識しながら注意深く見極めます。
配点が高い設問ほど、より丁寧に読み込んでいきましょう。
・~25分 与件文読解
与件文には15分ほどかけて読み込みます。
設問に出てきた登場人物が与件文にも登場したら、設問と同じ記号をつけていきます。
たとえば初代経営者は〇、二代目経営者は△、といった具合です。

「誰が?」という主体を取り違えてしまうと、大きな減点につながってしまいますよ。
あわせて、強みには赤色、弱みには青色のマーカーで色分けをしていきます。こうしておくと、解答作成時にSWOTの要素をすぐ拾えるようになります。
・~75分 解答記入
与件文を読み終えたら、いよいよ解答を作成していきます。
いきなり解答用紙に書き始めると、文字数がオーバーしたり逆に全然足りなかったりしがちです。まずは設問の周りにキーワードを書き出し、解答の方向性を固めましょう。
筆者自身もそうでしたが、方向性を決めずに書き始めると、100文字を書いているうちに言いたいことが途中で変わってしまうことがあります。

ちぐはぐな文章は、採点者からするととても減点しやすいんですよね。
設問が5つあれば、そのうち1つくらいは難易度の非常に高い設問が紛れているものです。
そうした設問でも、決して空欄のまま提出してはいけません。必ず何かしら書きましょう。
書いてさえいれば部分点をもらえる可能性がありますが、空欄では確実に0点です。
「1点をもぎ取るんだ!」という強い気持ちが、合格には必要不可欠です。

筆者も事例Ⅲで解答の方向性がまったく見えない設問に遭遇しました。諦めて空欄で出そうかとも思いましたが、なんとか解答欄を埋めた結果、合格できました。「諦めなくて本当によかった」と心底思った瞬間です。
・解答の方向性を決めてから清書する
・空欄にせず必ず何かしら書く
この2点を意識して、解答作成に臨みましょう。
・~80分 全体見直し
最後の5分間は、全体の見直しにあてます。
時間配分にこうした余白をあらかじめ作っておくと、本番で気持ちの余裕が生まれます。
最初から80分ぎっしりの計画を立てていると、想定外の事態が起きたときに冷静さを失いやすくなります。
受験番号に誤りはないか、誤字・脱字はないか、解答の方向性は一貫しているか——こうしたチェックのために、最後の5分を使いましょう。
事例Ⅳのおすすめ時間配分
・~3分 準備
事例Ⅳでも、まず始めに受験番号と名前を記入します。
最終科目で疲れがピークに達していますが、当たり前のことは当たり前にやり切りましょう。
続いて事例Ⅰ~Ⅲと同様に、各設問の配点を確認しておきます。
・~10分 設問確認&与件文読解
各設問を読み、おおよその難易度を予想します。
配点も確認しながら、どの設問にどれくらい時間をかけるかをざっくり決めておきます。これが事例Ⅳ攻略の肝です。
続いて与件文を読みますが、事例Ⅰ~Ⅲほどじっくり読み込む必要はありません。
ここでも強みには赤色、弱みには青色のマーカーで色分けをしていきます。
・~25分 経営分析(設問1)
事例Ⅳの設問1は、毎年ほぼ経営分析が出題されます。
事例Ⅳで合格点を取る受験生は、経営分析で最低6割、平均8割以上を確保してきます。

経営分析は確実な得点源にしたいところ。過去問を繰り返し解いて、解答パターンを体に染み込ませておきましょう。
解答時に特に注意したいのが、「優れている指標」と「課題を示している指標」を書き間違えないことです。
設問では『優れている指標は①に、課題を示している指標は②・③に記入すること』のように、記入欄が指定されているケースがほとんどです。
経営分析にかける時間は15分を目標に、普段の過去問演習から時間を意識して取り組みましょう。
・~75分 設問2以降の解答記入
設問2以降は、解きやすい設問から手をつけていきます。
確実に解ける問題から片付けて、得点を着実に積み重ねていきましょう。
たとえば損益分岐点売上高に関する問題は比較的難易度が低い一方、キャッシュフロー計算書(CF計算書)は難易度が高くなりがちです。
計算問題では、途中式を丁寧に書いていくことが何より大事です。
最終的な答えが間違っていても、計算プロセスが合っていれば部分点をもらえます。
事例Ⅳでは満点を狙うのではなく、途中点を確実に拾い上げていく意識が重要です。
・~80分 全体見直し
最後の5分で全体を見直します。
ケアレスミスはないか、計算プロセスに書き足せることはないか——最後の最後まで粘りましょう!
独学の限界を感じたら添削指導も選択肢
二次試験は模範解答が公表されておらず、独学だと自分の答案が合格レベルに達しているのかを判断しづらいのが実情です。時間配分の型を身につけても、答案の中身の方向性がずれたままでは得点につながりません。
もし独学に限界を感じたら、答案を客観的に見てもらえる通信講座を併用するのも有効な選択肢です。第三者のフィードバックを受けることで、自分では気づけない解答の癖や弱点を効率よく修正できます。
まとめ:過去問演習の段階から時間配分を意識しよう
二次試験は一次試験と違い、「時間が足りない」と感じる試験です。
80分という限られた時間の中で最大限のパフォーマンスを発揮するには、最適な時間配分が欠かせません。
頭では最適な配分を分かっていても、本番では思い通りにいかないこともあります。だからこそ、普段の過去問演習から時間を意識して取り組むことを強くおすすめします。
また、二次試験は絶対評価ではなく相対評価の試験だと言われています。
つまり、上位およそ20%に入れば合格できるということです。
自分が半分しか解けなくても、周りの受験生が3割程度しか解けていなければ、合格の可能性は十分にあります。
自分の出来が悪いと感じても、決して試験中に投げ出さないでください。
最後の1秒まで粘り抜いた人にこそ、合格が与えられます。
最後まで諦めずに頑張りましょう!




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